こんにちは。渡辺菊眞です。
ヨルダンから帰国して早くも一月あまりが経過しようとしています。
南シューナ地区コミュニティセンター完成の報告を早くしたかったのですが、7月は猛烈に忙しく、こんなに遅くなってしまいました。昨年まではあまり月日が関係ない活動をしていたので、そのコントラストが激しいです。それはともかく、そんなこんなで、関西も高知もクマゼミがやかましい季節に突入です。ようやくゆっくり夏を満喫、、かと思えば、あと一週間で今度はウガンダへ渡航です。というわけでヨルダン完成の報告を筆頭に、Dからお伝えしたいことをこれから一週間で矢継ぎ早に報告したいと思います。短期高密度の「Dの扉から」。しばらく「要注意」でお願いいたします。

今回は(ほぼ)完成した南シューナコミュニティセンターのお話です。上の写真は石造アーチとその上にかかるRCヴォールト屋根内観です。近隣の建物が夏猛烈に暑いのに対してこの施設の中はずいぶん涼しいです。分厚い石壁と屋根の外断熱がきいています。

これが施設の南側外観。ガラスの大開口が石壁から突出しているのが、ひときわ目立ちます。こんな大開口だと、中が強烈に暑くなるのでは?と思われるかもしれません。しかしここでは庇の出によって太陽光の入射と遮断を調節(夏は遮断。冬な入射)しているので
夏期は涼しく、冬は暖かい状態を提供してくれます。また、部屋の内部はとても明るいです。石造では無理だった明るい室内が実現できてます。窓は断熱性を高めるため通常のサッシを二重にもうけ、その間に花などのプランターを設置します。パッシブソーラーシステムの導入です。

今度は北側外観。南側外観とうってかわって、とってもマッシブな風景です。石と土嚢の複合様態が迫ってきます。中央の大きいドームが直径5メートル、高さ6メートルです。ここは応接室となります。床にアラブ圏特有の長い座布団を壁際にならべて、そこに座ってくつろげるスペースとなっています。その右横の小ドームが直径4メートル、高さ5メートルとなります。ここではこの施設の主役である女性活動団体;アルジャワスレのみなさんが制作した素敵なグッズが販売される予定です。

小ドームに接続する石垣に子供たちが腰かけてます。まんまるい土嚢ドームはどうやら親しみがもてるようです。

二つの土嚢ドームと湾曲石壁に囲まれた中庭。そこを女の子が疾走してます。

親方が苦心して積み上げた連続アーチのある内観です。連続アーチは空間に動きや流れを生み出します。

こちらも連続アーチ。連続アーチのある矩形空間がふたつあり、二つのウィングとなってL型にクロスしてます。上の写真のウィングには南側大開口が開きます。これまでこの地域にはなかった新しい空間です。ここで女性たちは手工芸品を制作したり、地域開催のワークショップなどが行われます。L型ウィングは二つの小さなトンネルを介して中央土嚢大ドームへと接続されます。

上の写真で子供たちが出てきているのがそのトンネルです。その奥に土嚢大ドームが接続されるわけです。土嚢大ドームか介して子供たちはグルグルと走りまわれます(別にそのためにこんなプランにしたわけではありませんが)。
さて、ここまでコミュニティセンターの建築を紹介してきましたが、まだ容器がなんとかできあがったばかりです。ここで女性たちが活動し、心をこめたグッズを作り、大開口で挟まれた温室に花を置き、庭でいろんな樹木や果実を栽培して、、そんな活動の積み重ねのなかでこの施設は徐々に本当の意味で完成していきます。この容器は地域のひとびとにどのように感受され、そこからどんなインスピレーションを与えて、活力ある風景がうみだされていくのかとても楽しみです。またそういう活力ある風景を生み出す装置となりうることを深く信じています。
そんないきた空間、いきた風景と化したとき、もう一度、この地を訪れたいと願っています。そのときはまた改めてご報告いたします。

追伸)竣工式前日に施設屋根の上から撮影した夕日。落日前、施設はしばしオレンジ色に染まり、そのあと暗がりに同化していきます。もし夜間にこの施設が活用される場合は南側大開口が地域の灯火のようになるのではと感じています。