2013年07月27日

プラットホームと仏壇。

こんにちは。渡辺菊眞です。

2週間苦しみ続けた喉の痛みがようやくひきました。イロイロ試みましたが、治らず、最後は結局、病院のお世話になってしまいました。。何にせよ治ってよかったです。

さて、完成直前の「天翔る方舟」ですが、今回はプラットホームと仏壇設置のご報告です。

「天翔る方舟」は3つの土嚢ドームを高基礎にして、その上に高床的な2階がのるという構成です。3つのドームは島のように互いに距離をとって配置されていますので、上部の高床の床下と土嚢ドームに挟まれた半屋外の空間が生まれます。

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その半屋外空間は地面から一段あげたプラットホームとしています。このような半屋外空間はタイのような熱帯地域ではとても重要で、土着の建築でも半屋外空間と屋内空間は五分五分くらいの面積配分です。こういう場所で風に吹かれながら過ごすわけです。とうとうドームの入り口にも建具がはまりここも完成です。

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また、仏壇には、仏さまが鎮座されました。ことの発端はこどもたちが時折みかける「お化け」騒ぎでした。真っ黒で目が爛々としてドン!と音をたてて落ちて来るヤツです。それが恐くてたまらないこどもたち。たぶん、土地の霊なのでしょう。その霊を鎮めるために仏壇を設けたのです。単なる形式ではなく、本当に精霊が宿る場所での礼節としての仏壇。改めて「場所に住まう」ことの意味を深く思い返した次第です。

「方舟」も、日々こどもたちの場所になってきています。完成まで、本当にあとすこし。より良い場所となっていくよう尽力していきたいと思います。



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2013年07月21日

大人気の滑り台ー虹の学校:「天翔る方舟」ー

こんにちは。渡辺菊眞です。

しつこくなおらない喉の不調ですが、これで鬱々するのも嫌なので、2時間走の大会に出走しました。22kmほど走り、思ったよりはいけましたが、身体の一部が調子悪いとやはり走るのもきつく、どんなものごとも全体で支え合って成り立っているんだと、変に実感しました。

さて、前の記事で、虹の学校の新学舎「天翔る方舟」が完成間近であることを報告しました。そこで滑り台も完成した旨をお伝えしましたが、この滑り台、予想以上に大人気で、日々、空き時間を見つけては子供たちが遊びにかけつけているようです。今回はその模様をお伝えします。

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「方舟」の2階から広場に向けて伸びる、赤い滑り台。すでに子供たちが上方に集まってきています。

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上から一気に、わーっと滑りおります。

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小さな男の子だけでなく、大きなお姉さんも、わーーと、滑り降りるのです。
滑り台といえば、一瞬の滑降の快楽と、そのあとの宿命的な登り。当たり前ですが登らないと滑れませんから。

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と、いうわけで、集団で登っていきます。

小さいころ、住んでたまちに新しい公園ができて、そこに滑り台がありました。特にこった滑り台ではなかったですが、とても嬉しくて毎日毎日滑りにいってました。ノーマルな滑り方に飽きてもこんどは、別の遊び方を思いつき、やはり滑り台を中心に遊んでいました。滑り台は公園の花形でした。滑り台には何だか、そんな子どもを惹き付けて止まない不思議な魅力があるように思います。

そんなことを、この情景をみて憶いだしていました。





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2013年07月19日

雪の中の産泥神社と、その時の灼熱の。

こんにちは。渡辺菊眞です。この時期にいつもかかる体調不良にいまだ苦しんでいます。情けないことです。治った暁にはこの間の停滞を一気に払拭したいと思います。

さて、いまは季節は夏本番ですが、今回は雪景色のお話。2月のとある日の産泥神社の情景です。

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2012年の春先に建設がはじまった産泥神社は6月末に完成。その後、7月のオープング、秋の日のトークイベントと続き、春、夏、秋と季節が移り変わる中で神社の情景も次々と姿をかえていくのを見てきました。12月のクロージングの後、諸事情あって、3月までは存置させていただきました。そして3月の解体時、春がおとずれんとする、まさにその時に神社とはお別れしました。

そういうわけで、冬季だけは見るチャンスがあったにも関わらず訪れることができず、ずっと気がかりではありました。ただ、その間にD研究所メンバー、高橋俊也氏がひとしれず探訪していたのです(だいぶんあとに探訪を知りました。。)。間接的ではありますが、その様子を語ってもらい、写真ももらいました。今回はそれを紹介いたします。

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冬の新潟のグレーな薄雪の中の拝殿。色彩はなくなり、モノトーンな亀裂の光だけが差し込んでいます。奥には雪がつもった本殿が垣間見えます。

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本殿の真上の穴も静かな白い空。

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本殿を抜けると真っすぐに続く雪の道。その向こうには柳都大橋の亀裂が続きます。

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雪の中の産泥神社、全景です。

こんな風に、とても静かなモノトーンのなかに佇んでいたことを知り、なんだか感無量となりました。自分が制作した作品なんていうのではなく、ここに住んでいる生き物のを見るような、そんな想いです。

さて、この時期、何故、産泥神社に探訪できなかったのか。それはこの時期、タイの孤児院「天翔る方舟」の建設に入っていて、それにかかりきりだったからです。

水と土の芸術祭のクロージングのまさにその日、タイに入り、建設を始めました。産泥神社の写真が撮られた、この時期、タイは灼熱で、土嚢ドーム部分の建設がちょうど終わろうとしていました。

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雪の中、産泥神社はただ静かに佇み、その一方で「天翔る方舟」は灼熱のなかでどんどんその姿をあらわしていました。

「天翔る方舟」の建設は本当に佳境。時は廻りながら進んでいきます。






2013年07月17日

Dなる風景、ふたたび。

こんにちは。渡辺菊眞です。

毎年、この季節(梅雨が終わって本格的な夏に突入時)に体調を崩します。次はそんなことなきよう、その時は誓うのですが、今年もまた、崩してしまいました。よくない循環をたちきるというのもなかなかにたいへんなものです。

さて、前回の記事で、大和の地でプロジェクトが動きつつあることを報告しました。どんな空間を創造するかということでいろいろ想いを廻らせている今日このごろです。そんな時、随分以前の記事で「Dなる風景めざして」と題して、具体的なイメージを郷里の風景に重ねて記していることに改めて気づきました。以下、その引用です。

 奈良の山裾。段々畑にみかん。のどかな風景。でも奇妙な起伏。その裏側にまわるとまん丸な丘。丸い丘の片側には墓石が林立し、もう片側には神社が。その不思議な起伏は古代の墳墓。黄泉の国へと通じる漆黒の闇をたたえた石室が地中に。目を転じて山々。その上方、雲間から斜めに光のカーテンが降りそそぐ。すべてが黄金と化しほどなく陽が落ちる。例えばそんな風景。

 これは僕の郷里の「山の辺」の風景です。起伏に富んだ地形に、ホントのどかな田園風景。タマネギ畑にほっこりしてたら、実はその起伏、前方後方墳だったりするのです。そうかと思えば、そんな古墳を神様がいる山に見立てて傍らに神社を設けたり、古墳の上にさらに墓地を営んだり。日常と非日常の世界が何とも言えずに混在して、それがとてもとても不思議で魅力ある風景となっているのです。

 D研究所は、こんな風景をどうしたら創出可能か、真摯に考え、その方法を開発していきたいと思ってます。


今回のプロジェクトに限ることでなく、身近な日常(すぐここ)と非日常(はるかかなた)がつながる風景を創出するのがD研究所の目標です。研究所設立当初の具体性あるイメージを再度、確認し、そのイキイキとしたイメージを源泉にして、あらためてのぞもうと思います。

以上、備忘録として、でした。

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2013年07月15日

完成間近の「天翔る方舟」と、これからのプロジェクト。

こんにちは。渡辺菊眞です。
梅雨という確信をもてないままにあけてしまった(らしい)梅雨。というわけで季節はいきなり夏に。クマゼミがやかましく鳴き出しました。僕はというと、日射にやられて体調不良に。早くなおして元気に活動再開させたいところです。

さて、昨年12月に着工したタイ国境の孤児院兼学校「虹の学校」の新校舎「天翔る方舟」がもうすぐ完成しようとしています。

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小生は5月末から6月初頭にかけて現場の確認と建設作業でタイに渡航。この時は主に2階の竹の造作と土嚢ドーム外壁の土壁塗りがメインとなる作業でした。この時点で9割近くまで校舎はできていました。

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小生が帰国後、雨季に入った鬱陶しい天気の中で片岡監督(彼は現場がはじまれば常駐し、現場の完了とともに高知に帰還する、を早くも3現場もこなしています)のもと、建設はすすみ、、とうとう滑り台が完成しました。

これは、ずいぶん前にこどもが描いたという「空飛ぶ校舎」と、そこから滑り降りる「滑り台」が着想となって設計したものです。3m近い高さから一気に滑り落ちます。

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小生が帰国直前にお化け騒ぎ(黒くて、目が爛々と光って、ドーンと音をたてて落ちて来る)があり、ここの霊を鎮魂する意味をこめて3階の吹抜け上部には仏壇も設置しました。お化けにもここの活動を許してもらえたらと思います。

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校舎が完成していくのにともなって、2階でご飯を食べたり、その後、遊び回ったりと、早くもこどもたちはこの空間を楽しんでいるようです。たぶん、もっともっといろんな遊びを開発してくれると思います。

完成は7月末。当初の予定よりも随分長引いてしまいましたが、そのぶん、とてもいい場所ができたのではと思っております。

さて、これからのD研究所ですが、ひとつ、とても興味深いプロジェクトのお話をいただきました。

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「古墳銀座」の山辺の道の東にそびえる竜王山。その中腹に望楼をつくるというものです。
はるか昔には湖だったという大和盆地。その「湖畔」にある山辺の道の古墳群。湖畔の奥の山は死者の領域です。この異界から大和盆地を眺めるための空間は、単なる展望台ではあろうはずもありません。では、どんな空間が相応しいのか?ただいまそれを構想中です。

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この場所は大きな楠の木が1本。この木も構想の肝になりそうです。
また、これに関しては展開次第、報告します。

というわけで、完成間近の「方舟」とこれからのプロジェクトのお話を少し、、でした。












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