2008年06月16日

土嚢研修と懐かしの1号。

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 こんにちは。渡辺菊眞です。昨日、天理エコモデルセンターにて、東アフリカエコビレッジ建設に向けての打ち合わせと、土壌建設研修をしてきました。

 今回、東アフリカで作るのは、当方や天理大学が従来建設してきた土嚢シェルターの倍のサイズの大ドームを含みます。その高さもこれまでの二倍。そこで工程や足場の組み方も含めて入念な打ち合わせが必要となります。

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 また、天理大学の学生さん二人も建設に加わるので、彼らの研修も事前におこなわねばなりません。上の写真の二人が今回東アフリカに渡航する学生さんです。

 ちなみに彼らの後ろにある小さなドームが直径2メートルのもの。2年前にウガンダでの土嚢シェルター建設に備えて、建設研修のために作成されたものです。先日お伝えした御宿の三成拓也さんもここで、土嚢建設技術を習得されました。この研修後、昨年ウガンダにて「土嚢バイオガス野外トイレ」が三成さんの指導のもと、建設されたわけです。天理エコモデルセンターは土嚢建築展開の拠点なのです。

 パースが効いててわかりづらいですが、その奥に見えるのが直径3メートルのドーム。当方が標準型と呼んでいるものです。これらは第二期天理エコモデルセンターを構成するドーム群で、標準型ドームを6個組み合わせた複合体です。これは2003年〜2005年までの間に建設されました。当方が設計担当し、黒い研究員:江崎が監督として関わったものです。この標準型の2倍の高さを持つものが今回の東アフリカで建設するものです。並の規模ではありません。

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 東アフリカエコビレッジの住棟では、キッチンなどの機能をもつ、直径3メートルの標準型ドームの上に直径6メートルのリビングドームが乗ります。そこで、今回の研修では2年前建設した直径2メートルの小ドームの上に直径4メートルのドームをのせる建設実験を行い、いろいろ検討を重ねるわけです。この写真は2メートルドームから現場を見下ろしたもの。白い服を着て、建設指導にあたるのは、河口尊さん。

 2001年に当方が土嚢建築に関わった時から、ずっと土嚢建築建設を主導してくださっている同志の方です。彼は、当方および天理大学の土嚢建築展開の立役者です。最も数多く、最も美しく、最も合理的に、土嚢を積み上げる凄腕の職人さんです。彼なくしては、土嚢建築の展開は考えられませんでした。

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 上の写真は今回、いっしょに渡航する学生さんに丁寧に土嚢の積み方と整形の仕方を指導する河口さんです。

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 さて、今回の研修の合間に、第一期天理エコモデルセンターも探訪しました。これは当方が2002年に設計施工したもの。日本での土嚢ドーム第1号です。河口さん、黒い研究員:江崎、そして僕の土嚢建築に関わった原点ともいえるものです。

 塀の中は、植物が好き勝手に伸び放題です。大地と一体化しはじめています。

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 今回は、基本的に東アフリカでの建設に向けて、さまざまなことを整理して、まとめていくことが大きな目的だったのですが、それと同時に6年前に建てた、僕の土嚢建築建設の原点を見て何か不思議な感覚を受けました。少し未来に建つ建築と、少し過去に建った建築が、僕を貫くのを感じたわけですが、そんな個人の時間軸を超えて、まだ見えない遠い未来と、はるか昔の時間が、ここからつながっていくのを感じたのです。

 「すぐこことはるかかなたをつなぐ」
これは、D研究所のテーマですが、改めてそんなことを思ってました。さまざまな草花が生い茂る土嚢1号を見て。
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