緑の研究員、高橋です。
Dのホームページでもご案内しましたが、昨日は京都の神楽岡工作公司にて「神楽岡スライド会」が開催されました。神楽岡工作公司とは京都を拠点にさまざまな職能の方々が集結して創作活動をされているグループで、そのグループのみなさんを前に、Dの赤い所長の渡辺菊眞が「土嚢と建築-From Earth-bag shelters to Architecture-」と題して講演をしてまいりました。

写真は講演会開始前の様子です。右手前にいらっしゃるのは、建築家の森田一弥さん(森田一弥建築設計事務所)。今回の講演会の依頼は森田さんによるものでした。
気になる講演はというと、土嚢建築の技術習得にはじまり、工法、これまでに建設されたものの紹介、そしてウガンダの東アフリカエコビレッジプロジェクトの紹介などなど、土嚢建築盛り沢山の内容でした。ところどころで質問が飛び交い、終始和やかなムードで進んでいきました。
さらに、今回の講演にあたって強力な助っ人の方にも登場していただきました。写真左にいらっしゃる、造園家の河口尊さん(天理教営繕部)です。

河口さんは通称土嚢建築職人で、世界で三本の指に入るほどの技術の持ち主と言われています。これまでに数々の土嚢建築の建設に職人として携わってこられ、その軌跡を特に職人の視点からお話していただきました。中でも、実際に建設できるようになるまでの苦労話はリアルかつスリリングなものでした。神楽岡工作公司のみなさんには興味深く聞いていただけたのではと思っております。
さて、盛り沢山の土嚢建築の紹介が終わって、そろそろ講演も終了かと思いきや、いやいやそんなはずはありません。Dの赤い所長による講演の締めは、「Dの建築」についてでした。
土嚢建築はこれまで幾多の建設を重ねることで、技術や計画は進化してきました。そして今でも進化しています。土嚢建築はあくまでDのめざす建築の一つであります。われわれは、さらなる研究と開発、そして種々の成果の融合を経て、「すぐこことはるかかなたをつなぐ」建築の構築を目指してまいりたいと思います。