2008年10月01日

帰国して二週間。ウガンダと日本を想う。

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こんにちは。渡辺菊眞です。
ここしばらく雨続きでしたが、本日はきれいな秋晴れです。気持ちのいい季節になってきました。

 さて、なんやかんやとしていたら、もう10月になってしまいました。ウガンダから帰国したのは9月16日。もう二週間が経ってしまってます。帰国してたまっていた業務などをせっせとこなしてましたが、最初の一週間は時差ボケ(六時間の時差です)でポンコツ状態。そこから一週間は、時差ボケならぬ環境ボケ(日本とウガンダとの、もろもろの状況の違いから来るボケ)で、やはりポンコツ感溢れる感じでした。ごく最近になって時差ボケも直り、ようやく日本の生活に慣れてきました。しばらくすればまたヨルダンに渡航ではあるのですが、、。

 冒頭の写真はウガンダでのエコビレッジユニット建設のものです。
写真の彼等はキクング村の高校生です。昨年ウガンダでバイオマスを建設した(当方は昨年は渡航してません)のも彼等を含む、同じキクング村のメンバーです。昨年建設したとはいえ、今回のは規模がまるで違います。大きなドームで高さ8メートル強もあり、ケタ違いの大きさです。しかし、彼等の技術吸収はすさまじく、最初の小さなドーム一棟を建設後、その建設技術は飛躍的に進歩し、正直驚きました。

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 高校生ということからわかるように、彼等は建設業者でないことはもちろん、社会人ですらありません。また彼等の多くは孤児です。彼等はこの技術を身につけて、将来土嚢建築のプロになってウガンダでさまざまな建設をこなしたいといっていました。そういった目的意識があることも彼等の飛躍的技術進歩と当然関わってるのだと思います。

 ウガンダは高原で気候は常に温暖なのですが、日射しは強烈です。ですので作り上げたドームは、完成次第プラスターで固めなければいけません。土嚢袋は日本よりもはるかに早く劣化してしまいますので。上の写真にも小さなドームにはプラスターが施されているのがわかると思います。当地の左官職人さんは曲面を塗るのがとても上手です。曲面を左官するのはやっかい(しかも土嚢は表面が凸凹です)なはずなのですが、涼しい顔で綺麗になめらかにしあげていきます。また、土嚢積みに関しても曲面を積むのが非常にうまいです。

 ここで、気付いたのですが、アフリカの住居は元来は円形、またアフリカのコスモロジーも基本は円であるといいます。現在ウガンダでは彼等の住居は矩形平面のものがほとんどで、円形住居はめったにお目にかかれないのですが、それでも彼等の血あるいは遺伝子には円に対する強い親和性があることを感じました。

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 さて、現場の敷地ですが、この土地は在日ウガンダ大使から提供していただいたものです。そのこともあって、連日さまざまな方が視察にこられました。そして、大きな反響を得ました。概して「この建築は美しい。素晴らしい仕事だ」といった感想で、どうみてもお世辞とかではなさそうです。これに関しても、円形の空間に対する親和感、円を美しく思う審美眼が働いていることを強く感じました。

 建設の方は、当初の予定をはるかに超えて進みましたが、大きなドームを着手する直前でタイムアップ。やぬなく帰国。施主である大使も同じく日本へ。現場はこの後も彼等が建設を進めていきますが、ここからが最も難しいゾーン。当方は気掛かりで仕方ありません。ヨルダン渡航にあわせて、今年に再度現場入りしたいと考えています。

 現場は土嚢建築ならではの楽しさと難しさがあり、特に今回はその規模が大きいこと、そして構成も複雑であることから、幾度も困難な状況に陥りました。その都度肝を冷やしましたが、なんとか克服して進めてきました。何か問題が生じても大きく落胆せず、時には土嚢を積みおろして再度積みなおすような場面でも明るく建設をすすめていく彼等のエネルギーに大きく救われました。また彼等の中にある「円のコスモロジー」が光彩を放つのをみて、その姿に強く惹かれました。

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 さて、ここでいきなり話が変わりますが、帰国後、主にとあるコンペに取り組んでいます。ある寺院の消失した本堂の再建案を募るというもので、提出チームの監督のようなことをやってます。アフリカでは土嚢のことで頭がいっぱいだったわけで、そこから帰国していきなり木造軸組。しかも古建築。その部材の多さと圧倒的な複雑さに目眩に襲われました。目に見える架構と、隠れた架構、そして単なる飾り(化粧材)の複雑極まりない取り合い。木造の国:日本としては当たり前なのでしょうし、当方も木造建築の設計はやってきてますので驚くには当たらないのでしょうが、単純明解な土嚢建築とのギャップが激しすぎて、帰国直後は幾度も頭がフリーズしてしまいました。

 それでも無理して毎日これに取り組んできた結果最近ようやく木造感覚が戻ってきました。円のコスモロジー、円の住居、積石造への親和性を、無意識のレベルといっていいほど深いところで色濃く持っているウガンダの人々。帰国してようやく木造を思いだしてきた僕。
僕の血に流れている無意識レベルのコスモロジーや空間は本当はいったいなんなのだろうかと、ふと考えてしまいます。このコンペに取り組む過程で木造の空間に関しては何かひとつの結論を出したいと思っています。まだどんな結論かはわかりませんが。

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 建設中の大ドームから仰ぎ見た月。何故かこれを見た時に日本の風景を思いだしました。


posted by 渡辺菊眞 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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