2010年07月26日

生き抜くための建築を

ご無沙汰しています、江崎貴洋です。
現在、4度目のハイチ出張中です。

ここのところ、3週間〜4週間ごとに日本とハイチを往復しており、
やっとブログをアップできる時間ができました。
関係者の皆さまには大変ご迷惑おかけしています。

衛生事業としてのトイレ建設などにひきつづき、
現在、技術協力しているのは学校再開の為の、仮設校舎建設です。

昨年末のインドネシア・スマトラ地震支援の集会所再建で挑戦した
日本人大工から現地大工への技術移転プログラムに手応えを感じ、
今回も株式会社海賊の高柳鉄平氏にご協力いただき、
これから復興をてがける現地建設業者組合への技術移転をおこなっています。

P6230022.JPG

写真は3度目の出張時に撮影したもの。
インド・アフリカを共にした土嚢建築施工技術者である河口尊氏との
恊働もそうでしたが、大工である鉄平さんだからこそできる確かな
ワークショップを今回も展開できました。

今回のハイチ支援では、
紙筒で有名なユニーク建築家さんなんかもおり、
パフォーマンスな建築家や、被災地を実験地として教育展開、
広報展開する建築系大学の研究室が多いのが実情です。

隣国ドミニカでしか入手できない資材を用いて、
その後、住民たちはどうやって資材を入手するのか???
ただただ疑問です。

壊れた自分たちの家には何が足りなかったのか?
どうやったら自分たちでも強い家を建てることができるのか?
被災者は復興へ向けて毎日を真剣に生きています。

紙筒のようなメディアに取り上げられやすい、もの珍しいものを
広報的に展開するのではなく、彼らに根付いていたこれまでの技術の
確認作業こそ大切だと思うのです。

彼らが今後、自分たちの力で生き抜いていくこと、そして、それを
可能にする建築技術は何かということを現地でともに考えていくこと、
そしてその技術を確実に移転していくこと。建築家として、このことを
忘れないよう、改めて肝に命じながら、ハイチでの支援活動を継続して
いきたいと思います。

posted by 江崎貴洋 at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | International contribution by architecture | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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