2010年08月05日

「いい家」説明会。金沢へ

こんにちは。渡辺菊眞です。

早いもので、もう八月に突入してしまいました。高知は基本、鬼のような猛暑の連続でしたが、ここ二日くらいは、いきなりの雨+強烈な晴れ間、の繰り返しです。なんだか大気が不安定なようです。

さて、少し遡りますが、去る7月31日に金沢21世紀美術館にて行われた高嶺格:「Good House, Nice Body」の第二章:「Good House いい家」の説明会にいってまいりました。以前から時々、このことに関して触れてきてましたが、美術家の高嶺格さんと共同で「いい家」を構想、製作しようとするものです。小生はそのうちの土嚢建築部門の製作を担います。

goodhouse-posup.jpg

上の写真は展示会のポスター。そして下の写真は、21世紀美術館本館。おなじみの建物です。

kanazawa21.jpg

さて、それはそうと今回の「いい家」って何なのか?ですが、、
家は根本的には外の世界から身を守り、そこで憩い、安らぐ住処(すみか)です。人間が生きるにあたって良くも悪くも根源的な位置にあってしまうものです。しかし、ある時から、そんな家がカタログから選んで購入するものになってしまっています(少なくとも我が国では)。そして一度購入すると長期のローンを組んでたいへんなことになって、にもかかわらず数十年で打ち捨てられてしまうこともよくあります。

人がいきていく場所=住処が、そんな様態でいいのだろうか?これがスタート地点です。昨年、秋に高嶺さんがD研究所に来訪された折に、酒を飲みながらこんな話をかわしつつ共鳴しあったわけです。

当然ながら、「いい家」がそのまま「土嚢のいえ」なんてことにはなりません。ただ、そこにある土を掘り返して、自分で積み上げて、ドーム(=胎内的な場所)を囲い込むという作業に熱中して、ある時にふと、「家って?」という気持ちがわきあがるのだと思っています。そんなきっかけになるひとつの工法として今回は「土嚢のいえ」をつくるわけです。

もちろん「土嚢の家」だけでなく、近隣の空家から廃材を得て、それをくみ上げて創る空間もあります。こちらは高嶺さんが主導して創り上げます(どんなものかはまだ未定!)。

pro-kobo-up.jpg

それらの「家」がこのプロジェクト工房の内部に少しずつ立ち上がっていくわけです。この無味乾燥な外壁にも何か内部からはみ出すような空間が付着する(?)予定です。

今回の説明会では、当方が土嚢建築部門の説明をしつつ、廃材などで作っていくものの「前触れ」を高嶺さんがスカイプ上で説明されました。氏の青森での最新作(とてもワクワクする建築作品です)も披露され、俄然会場のテンションも高まりました。

この説明会に参加した15名くらいが共同製作者(ボランティアスタッフ)として参加表明をされました。

 高知からのグループとしては、D工房の片岡氏が製作アシスタント、高知工科大学の学生4名が製作スタッフとして上記15名とは別に参加します。またD工房のある神母木でも土嚢建築庭園:「EARTH GARDEN」が少しずつですが立ち上がりつつあります(これは何年にも渡るビッグプロジェクトです)。

 金沢入りまで、あと少し。ふとした拍子に「家」がせまってくるような、そんな風景を彼の地に現出させたいと思ってます。

sya-so.jpg

 真夏なのに、やっぱり色彩の薄い北陸の空。子供のころ盆帰りしたときの風景がじんわりと迫ってきます。


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