高知はここしばらく、へんに生温かい日が続いていましたが、昨日から強風が吹き荒れて一気に寒くなりました。あわただしく過ごしていて、体力も落ち気味なので、体調崩さないよう気をつけたいと思います。
さて、先週末の11月26日と27日に新潟市にいってまいりました。来年7月から開催の「水と土の芸術祭」での作品制作に向けた現地視察です。新潟はもともと見渡す限りの湿地帯で、人が住める場所ではなかったとのこと。現在は日本海側最大の都市として栄えていますが、その底には人々の長年にわたる、土と水との格闘、それと同時にそこからたくさんの恵みを受け取った歴史があるわけです。この芸術祭ではそんな新潟の底にあるものを、アートを媒介にあぶりだしていくことが目的とされています。また「3.11」以降、人は大地の上でいかに生きていく事が可能なのかを提示していくことも、ここでは問われます。
小生は、土を詰めて積み上げて作る「土嚢建築」の建設を世界中で展開してきました。その活動を評価いただき、今回、この芸術祭に招待されることになりました。世界での土嚢の現場でもそうでしたが、地域により、文化風土が違います。なので、そこで構築する土嚢建築のありようもその都度変わります。今回は新潟。水と土との格闘の歴史が根元にある土地ということですが、それが現在、どんな風景となってあらわれているのかを、まずは身体全体で感じないといけません。また、その上で、どの場所を表現フィールドとして設定するのかも見極めなければなりません。そんな意味をもった現地視察でした。
↑久しぶりの日本海。モノトーンな空に、荒い波。もともと日本海側にルーツがある小生にとっては、太平洋より馴染み深い海です。
この日は午前中は曇天。寂しげな風景が、より寂しくうつります。
午後からは天気が回復しはじめました。ここは、上堰潟公園。新潟には潟と呼ばれる水辺がたくさんあります。
上堰潟公園から見た弥彦山。麓に弥彦神社がある聖なる山です。
上堰潟公園は市郊外の美しい風景。水と土が奇麗な調和を見せる原風景とも呼べる場所です。
夕刻に訪れた、鳥居野潟。都市中心部のすぐ南にある潟。格闘の軌跡が見えないほどに発展し、脱色脱臭された現代都市を潟から見る風景。ある意味、上堰潟公園とは対照的です。
この他にもさまざまな場所をご案内いただきました。
個人的には、何気なく過ごしている自らの足下に、土と水でドロドロでグチャグチャな格闘の歴史が息づいていることを再度、感知できるような空間をつくれたらと考えています。
まだ、敷地やつくるものも確定してはいませんが、また進捗などあれば報告していきます。
それではまた。
↑今回の芸術祭のメイン会場となる「ものあげ場」。ここはどのように変容していくのかも、とても楽しみです。