本日から2012年が始まります。この BLOGをさかのぼっていただけるとわかるのですが、D研究所は元旦に結成されました(詳しくは「Dってなぁに」をご参照ください)。それが2007年1月1日。ですので、本日はD研究所の5歳の生誕日となります。
元旦からはじまる組織なんてのは普通でいうと考え難いものです。当研究所の場合は、「やろう。では縁起もいいので元旦に!」という決め方でしたのでそんなことが可能でした。すぐそばの身近な場所(これは地元という意味ではありません。あちこち放浪する中で、降り立った場所は全て、「すぐそばの場所」と考えています)を大切にしながらも、それをはるか彼方(端的にいうと異界などの次元の超えた世界のことです)とつなげていきたい。そんなことが可能な「ワクワクする場所」を構築していこう、その決意だけではじめました。
この5年で、ヨルダンのコミュニティセンター建設(2007-2009)、東アフリカエコビレッジプロジェクト(2007-2010)、国内では現代美術家の高嶺格氏と共同で金沢21世紀美術館展示「Good House」を制作しました(2010)。
また、研究員の江崎貴洋氏はハイチで災害復興(2010)、マラウィでエコサントイレ建設(2009-2011)、気仙沼で復興建築モデル(2011)をてがけてきました。
これらは実現したプロジェクトですが、これらの制作期間中に「エネルギー利用源としての太陽」に局限する(これはきわめて危険だと思っています。自然軽視が進むからです)ことなく、「宇宙や自然に思いを馳せるその象徴としての太陽」を感じることができる建築として、「太陽の家」プロジェクトを進めてきました。
また、小生が2000年から研究を進めてきた日本建築の空間構成研究をまとめるために、2008年から研究員の高橋俊也の協力をもとに書籍化にむけて執筆をつづけています。昨年は、それとは別に高知新聞の週間連載「この場所、この地球、あの建築」の執筆もおこないました。
さらにはD研究所:高知(D地域空間計画工房から改称)の片岡佑介氏は2011年9月から宮城県南三陸町にテント暮らしをしながら常駐し、復興支援活動をつづけています。
このようにD研究所はこれまで多岐にわたる活動を展開しながら、「すぐこことはるかかなたをつなぐ」、そんな場所の構築を模索してきました。今年はこれら積み重ねたことを結集して、新たな局面を切り開く年になりそうです。数々のプロジェクトや研究が具体的に動きだす予定です。
これらについてはまた、随時ご報告いたします。本年も何卒、よろしくお願いいたします。
「すぐこことはるかかなたをつなぐ」
2012年01月01日 D環境造形システム研究所代表 渡辺菊眞