さて、いまは季節は夏本番ですが、今回は雪景色のお話。2月のとある日の産泥神社の情景です。
2012年の春先に建設がはじまった産泥神社は6月末に完成。その後、7月のオープング、秋の日のトークイベントと続き、春、夏、秋と季節が移り変わる中で神社の情景も次々と姿をかえていくのを見てきました。12月のクロージングの後、諸事情あって、3月までは存置させていただきました。そして3月の解体時、春がおとずれんとする、まさにその時に神社とはお別れしました。
そういうわけで、冬季だけは見るチャンスがあったにも関わらず訪れることができず、ずっと気がかりではありました。ただ、その間にD研究所メンバー、高橋俊也氏がひとしれず探訪していたのです(だいぶんあとに探訪を知りました。。)。間接的ではありますが、その様子を語ってもらい、写真ももらいました。今回はそれを紹介いたします。
冬の新潟のグレーな薄雪の中の拝殿。色彩はなくなり、モノトーンな亀裂の光だけが差し込んでいます。奥には雪がつもった本殿が垣間見えます。
本殿の真上の穴も静かな白い空。
本殿を抜けると真っすぐに続く雪の道。その向こうには柳都大橋の亀裂が続きます。
雪の中の産泥神社、全景です。
こんな風に、とても静かなモノトーンのなかに佇んでいたことを知り、なんだか感無量となりました。自分が制作した作品なんていうのではなく、ここに住んでいる生き物のを見るような、そんな想いです。
さて、この時期、何故、産泥神社に探訪できなかったのか。それはこの時期、タイの孤児院「天翔る方舟」の建設に入っていて、それにかかりきりだったからです。
水と土の芸術祭のクロージングのまさにその日、タイに入り、建設を始めました。産泥神社の写真が撮られた、この時期、タイは灼熱で、土嚢ドーム部分の建設がちょうど終わろうとしていました。
雪の中、産泥神社はただ静かに佇み、その一方で「天翔る方舟」は灼熱のなかでどんどんその姿をあらわしていました。
「天翔る方舟」の建設は本当に佳境。時は廻りながら進んでいきます。