2014年01月01日

新年ご挨拶。2014年のD研究所。

新年あけましておめでとうございます。渡辺菊眞です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

D研究所は2007年1月1日に開設しました。早くも、ちょど7年が経ちました。
開設時に取り組んでいた仕事はヨルダンのコミュニティーセンターウガンダのエコビレッジプロジェクトです。

前者は当地伝統の石造建築(絶滅危惧的な工法)とRC造、そして土嚢建築の3種の工法を織り交ぜた建築。
後者は建築素人(高校生孤児)によって建設された土嚢の大建築でした。

この2つのプロジェクトはのちのD研究所の建築構想にとって、大きな骨格となるものとなりました。
何よりも昨年、建設したタイ国境の孤児院兼学校「虹の学校」学舎、天翔る方舟はその両者のあり方が統合されたものです。

ark+kikuma.jpg

現地伝統の高床建築を参照しつつ、土嚢の高基礎空間を下部に設けた、上下で対照的な空間が統合された場所です。当地の技術と、その他の代替工法の組み合わせによる建築はヨルダンの系譜であり、子供の夢を容れる器のあり方を考え、みんなで実現させていくやり方、そしてそれがシンボルとなり、心のよりどころとなるのは、アフリカから徹底して考えてきたことでした。

昨年は、その時間の大半を、この建設に注力しました。ずっと取り組んできたことが統合、昇華されて、形となったことは素直に感慨深いものでした。今期は雨季の雨を貯める貯水池を建設し、校舎とあわせてひとつの「庭」のような場所になればと考えています。

この建築は今後より広く、大きく展開していきそうです。隣国の洪水に悩む地域の住居形式として、はたまた田舎で自立的にくらせるエコビレッジの建築として。これらはまた進捗あり次第報告いたします。

srachinomaweb.jpg

次に今期、注力したいのは「太陽の家」プロジェクトです。太陽は、わたしたちの暮らしに大きな恵みをもたらしてくれ、それをうまく活用すれば、夏涼しく、冬暖かい、とても快適な住空間ができることはいまとなっては広く知られるところです。D研究所ではそれに加えて、太陽が体のいい「冷暖房装置」にとどまることなく、畏怖敬愛すべき大きな存在であることを体感できる空間性を生み出したいと思っています。我々をつつむ大きな宇宙。それを日々巡り、我々に光と闇をさずける太陽、そんな存在として太陽を感じる場所です。具体的には大きな日時計が内蔵された家です。

この構想は2008年からありましたが、諸処の事情や時機にめぐまれないこともあり、なかなか具体化へと移行できませんでした。しかし、今期、ようやく実体化できそうです。

当初はRC造にての建設を考えていましたが、木造建築へと変換しました。設計だけするとあとは施工者にまかせざるを得ない複雑で高額となるRC造による実現は、これまで途上国で創意工夫を交えて成し遂げてきた建築のあり方との乖離が激しすぎると感じ、昨年に思い切って木造へ変更しました。ローコストでありながら、その思想が確実に空間化される道筋ができつつあります。

forest-sun.jpg

上記のスケッチコンセプトを、木造建築にて実現させる予定です。

Dとは、「つきつめても、つきつめても、なおその先にある何か」をさします。いってみれば「究極の真理」のようなものです。そんなことばにできない「何か」がある場所を構築したいと思い、D研究所を立ち上げました。その場所の構築のアプローチとして、大地に根をはる建築としての「大地の家」、そして太陽の恵みと偉大さを体感する建築としての「太陽の家」の二方向を考えていました。「大地の家」は主に土嚢建築プロジェクトとして、「太陽の家」は日時計のあるパッシブソーラーハウスとしてです。これらのことが、二方向ではなく、統合される道筋が、見えつつあります。おそらく今年は、そんな統合の方法を確立させていく一年となるのではないかと思います。

nenga2014.jpg

いずれにせよ、その統合ですらゴールではありません。統合したとおもった、その先にやはり、名状しがたい、ワクワクするような場所、「Dなる場所」があるでしょうから。その構築にむけて、これからもより精進していきたいと思います。

D環境造形システム研究所所長 渡辺菊眞

posted by 渡辺菊眞 at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | D | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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