2015年06月01日

宙地の間+天翔る方舟 -Dな現場に見る「地の空間」の片影-

こんばんは、片岡鉄男です。

もう日中はすっかり夏のような暑さになりましたが、日々現場は続いております。
今回は現在進んでいる「宙地の間」、そして2年前の「天翔る方舟」、ふたつのDな現場から感じたことを少し書き記したいと思います。

この現場報告シリーズを見てくださっている方はすでにご存知かと思いますが、斜面した敷地に建つ「宙地の間」。
その基礎高は1100mmの高さを有し、外周の半分以上が地中に埋没しています。
中に入ると床から900mmほどの立ち上がりとなり、床に座ると外界からはシャットされ、なんだか強くて大きなモノに包まれた感覚を覚えます。

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写真では少々分かりづらいですが居間の様子です

この床から900mmほど立ち上がったコンクリートの基礎はパッシブソーラーハウスの基本原理を活かした蓄熱体となっており、夏は夜間の冷気を、冬は日中の日射を蓄え、輻射冷房・輻射暖房として機能します。
この基礎のおかげで暑くなってきた今の時期でも内部はひんやりしてとても快適なのです。

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パッシブソーラーハウスの基本原理

さて、そんな現場でお昼休み中の大工さん。玄関前にてのんびりしています。↓
WP_20150601_007.jpg
玄関前と言いつつ、施工中ということでまだ扉が入っていない状態ですが、おかげで風が少し吹くと中にある冷気がそよそよと流れ出てきます。
外気温が30度を超える中、ひんやりとした冷気が自動的に流れてくるこの場所は休憩にはうってつけ。

WP_20150515_007.jpg
東から見ると洞穴のような大きな開口があるところ。よーく見るとこの時も大工さんたちは玄関前で休憩中で、これが「宙地の間」の現場の定番となっています。


これと似たようなお話が今年3月に、タイ・虹の学校の「天翔る方舟」でもありました。
3月の渡航時には高知工科大学・建築環境工学の田島先生も同行して頂き、「天翔る方舟」の環境性能を計測して頂きました。
その際に田島先生が「人や動物は意識せずとも居心地の良い場所を選んで居所にするから、そういう場所になっている所を計測すると良い数値がとれたりする」ということを仰っていました。
そして計測結果を見てみるとまさにその通りで、普段よく人や動物がいるピロティや、吹き抜け上部にある2階床はかなり快適な状態にあることがわかりました。

実際に建設中も強く意識した訳でなく、ある頃から自然と休憩はピロティや吹き抜け上部に↓
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それぞれ休憩したり、昼寝したり、溜まったりする人気スポットであり、双方ともに夜間に冷やされたドームから冷気が伝わり、且つ外の風も良く抜けるところに位置しています。
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夜間に冷却され蓄熱体として機能するそれぞれの土嚢ドーム、
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お祈りドームは毎朝5:30からお祈りがおこなわれます。円環状に座して祈りを捧げる子どもたちを包み込む。

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地の教室は特別授業や催し物がおこなわれます。長円形の奥行きのあるドーム。


「宙地の間」と「天翔る方舟」では形も工法も随分と違っていますが、RC部分と土嚢ドーム部分、それぞれが内部はもちろん周囲の空間にも影響を与え得る環境性能を発揮しながら全体を支える強固な基礎として機能し、それらと形が合わさって人を包み込む「地の空間」として現象することが垣間見えた今日の午後でありました。
もうしばらく時間はかかりますが、いろんな意味で完成が楽しみな「宙地の間」。
完成した後、全体としてどのような空間が現れるのかはできてからのお楽しみです。

ともあれ、あと一踏ん張り頑張りたいと思います!!
引き続き、現場報告をお楽しみに!!!

片岡鉄男



おまけ
RYUGA.jpg
高知県香美市にある龍河洞の入口。夏場の入口付近には冷気が漂う。内部は年間通して15〜17℃程度に保たれており、出口付近では弥生期の人が暮らした跡が見つかっている。

tateana.jpg
18世紀頃のアリューシャン列島先住民族の竪穴式住居。大地を掘り、土で覆った地の住まい。寒冷地で生き抜く力。

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