前回、正月に新年のご挨拶をしてから、早くも1月は去ってしまい、2月が到来。
毎年思うことですが、年度末というのは、気付けば過ぎ去ってしまうような時間です。
そんな時空にふりまされないよう、気をつけたいと思います。
さて、今回は昨年の秋からコツコツと進めてきている高知は高法寺の地空庵建設を
ご紹介したいと思います。
上は完成時の全体予想図。木造の切妻屋根の下に丸い空間がドンと構えています。
しかし、いざ、この中に入ると実は丸いドンとしたものの中は庭になっており、その上に小さな空間が浮かんでいるのがわかります。
地空庵とは、土嚢壁に包まれた丸い庭の上に浮かぶ4畳半程度の茶室的空間です。日常の喧噪を離れてここで過ごしながら自己省察をする場所が目指されます。地空庵のある高法寺の住職、玉城秀大さんの発案で計画が進みました。玉城さんはタイの「虹の学校」の代表で、私がその学舎:「天翔る方舟」を設計した時からのおつきあいです。今回の直接的な動機は、「方舟」のような空間を日本に設け、設備も何もないなかに豊かな空間だけがある、そういった場所に身をおきながら、自分を見つめ直す経験をみなさんにしてもらいたいという玉城さんの願いからでした。
昨年末にはみなさんの多大なご協力のおかげでクラウドファンディングの目標も達成し、その力もしっかり受け止めながら建設に励んでいます。
今回は秋から現在までの建設模様を駆け足で紹介いたします。建設は高知工科大学環境建築デザイン研究室(渡辺菊眞研究室)の3年〜修士1年のメンバーと私、そして、ありがたいことにボランティアの方にも手伝っていただいてます。
土嚢の建築はいつもここから。大地に中心を定め円を描きます。人間が自分の場所を定める、おそらく太古からあったであろうことを追体験します。
土嚢につめるための土を混ぜる。これは重労働かつ、とても大切な工程です。
入り口の型枠を設置し、土嚢を円環状に一段づつ丁寧につみあげていきます。写真は7段目完了時点。
土嚢壁建設は合宿形式で1週間、お寺で寝泊まりをしてここまでたどり着きました。
その後、11段目をつみ終わり、土嚢壁建設は終了。
屋根の骨組みとなる単管工事へと以降します。
年末に骨組みは完成!メンバーと記念撮影。
今年に入り、単管骨組みに屋根下地となる垂木を設置する工事へと入りました。まずは屋根をかけてしまいます。
平日は大学の講義があるので、建設は土日に行うことしかできず、少しずつしか進みませんが、それでも一度の現場が終わるごとに形がクッキリ見え始めてきています。年度末の完成を目指してこれからも頑張っていきます。
また、進捗あり次第、報告いたします。お楽しみに。