今回も前回に引き続きマレーシア雑感を御報告いたします。
今回はクアラルンプールから電車で一時間半の距離にあるセレンバンという都市での一コマ。
セレンバンは遠い昔に海を渡って来た人々によってつくられた都市。その特色が今に息づくユニークな場所です。
今回はそんなユニークさに肉薄するものではなく、そこで見かけた中国系の人々のための一大墓地のお話です。セレンバンの西に流れる川をこえるとそこは丘。
草花が咲き乱れる丘は空まで続いていきます。そこにポコポコとたつ墓石。川を挟み、その向こうにある場所。空とつながり、果ては他界へと通じるのでしょう。
埋葬されている人々は中国系の方々。私たちと同じ東アジアの民です。
山の彼方のさらにその彼方。そこに死者の霊がかえっていく風景。それは私たちの根源にある風景です。
マレーシアという遠い場所で、根っこに触れる風景に不意にであって、訳も無く泣きそうになりました。