研究所も移転し、活動を本格的に開始しています。ずっと継続的に続けていた土嚢の建築はもちろん、太陽光をふんだんに取り入れた快適な住宅、そして天体の運行を感じながら過ごせるような建築空間の設計など、いよいよ「Dな建築」実現に向けての取り組みを進めています。
さて、それと平行して本腰を据えて取り組んでいる研究があります。一つは日本建築の空間の研究。これは本格的に進行中で書籍としてまとめはじめています。
その一環として、日本社寺建築の補足調査も行っています。基本的に対象社寺の調査は完了しているのですが、足りない資料の収集や、空間の再確認などをおこなってます。
この日本建築空間研究は、Dの赤い所長、要するに渡辺菊眞を主として取り組んでいる研究で、Dの緑の研究員:高橋俊也氏が、サポートしてくれてます。さて、その高橋氏は墓の研究に取り組んでいる「墓博士」です。
ですので、社寺調査に加えて、社寺周辺の集落にある墓や、聖地内に位置する墓などの調査も行っています。これが二つ目の研究です。
墓空間も、社寺空間におとらず、とてもおもしろいです。何がおもしろいかと言うと、そこに住む人々が、死後の世界をどのように想像したかを墓地を見ることで感じられること、そして、そんな死後の世界や死んでいった祖先へ寄せる思いが実にさまざまな風景となって現れていることです(たとえば奈良内だけでも実に多様な展開を見せます)。
この二つめの研究も、緑の研究員から追って報告できたらと思います。
社寺などの聖地、そして墓地、これらはともに、「自分たちが住んでいる世界」と、「それを超えたところにある世界」を、「つなぐ空間」です。そういう日常を超える世界への想いがあるからこそ、普段いる自分たちの日常がいきいきとした時空になるんだと感じています。
D研究所がこれらの空間に強くこだわっているのも、そんな想いからです。研究の成果は、できるだけ早期にお伝えしたいと感じてます。
お伝えした後も、また別な新たな発見があって、このふたつの研究はずっと続けていくことになるかとは思いますが、、。
D研究所の赤い所長 渡辺菊眞