こんにちは。渡辺菊眞です。
もう、1週間近くは経とうかとしてますが、去る11月23日と24日に開催された「エコビレッジ国際会議TOKYO2007」で、当方が設計を行っている東アフリカのエコビレッジプロジェクト(上の図が、その全景です)の概要を発表してきました。プロジェクトの概要に関しては近々、ホームページにアップする予定なのでそちらを御覧いただければと思います。今回は会議に参加しての所感です。
エコビレッジは平たくいうと、「壊れてしまった人間と自然との関係を再び有機的に結びあわせた生活ができる村」です。そういった生活の実現が、壊れつつある地球環境の悪化をくいとめ、豊かな人間関係をも構築できるというわけです。
あたり前ですが、「村」ですので、人間が生活することが基本になります。そして、ひとりじゃ村にはなりませんから、人間と人間との関係が重要になります。なのでエコビレッジには共同生活の在り方を問うという問題(コーポラティブハウス、コレクティブハウス)が常にあります。
そして、人間が共同生活を営みながら、自然とどのような関係を結べるのか?という問いが最大の問題としてあります。荒野と化した大地に緑を取り戻す、豊かな自然を見つめる(風景の問題)、自然からエネルギーをもらう、それを循環させる、そして自然から食料をもらう(農業の問題)、自然を敬愛し畏怖する(元-宗教の問題)などなど。
ですので、「エコビレッジ」という1単語のもとに開催されたこの会議、蓋を開けると発表された方々の立場はさまざまでした。対象としている地域が違えば問題設定も異なります。例えば日本国内でも過疎の村と都市部では、「エコビレッジ」としての反応は大きく違ってきます。もちろんそれぞれに共通する普遍的なること(=自然と親しみ、ともに生きる)は根太くあります。
いずれにしても2日間参加して、さまざまな「立ち位置」の存在に大きな刺激を受けました。とても有意義な時間を過ごさせていただけたと思っています。当方の発表も反響が大きく、プロジェクトのよりよい実現に向けて大きなはずみとなったのではないかと思っています。
さて、どうでもいいのですが、発表を終え、宿に帰るといきなり発熱しました。40度でした。熱にうなされ、うなされたまま朝。やっぱり40度。うなされっぱなしで新幹線に無理やりのって関西へ戻り、それでも40度でした。一度下がってホッとして少しでかけると、また40度(この報告が遅くなったのはこのせいです)。病院にかけこんだところ、何らかのウィルスに感染したとのこと。昨日くらいにようやく熱は下がりました。
自然との豊かな関係を取り戻す。そう、これは当たり前ですが明らかに常に人間から見た場合の「豊かな」関係です。僕たちは人間なので当然なのですが。「美しい自然風景」もそうです。僕たちは当然、人間だから人間の視点をはずせません。熱にうなされぼんやり思っていました。他の生物にとって自然とは、そして人間とはいかなる風景として、いかなる空間として現象してるんだろうと。それは想像を絶するものではないだろうか?そして、僕たちの美しく思う風景は彼等にとってはひょっとしたら、、、
物好き(?)にも、僕なんかに巣食って、40度の熱をプレゼントしてくれた、よくわかんないウイルスにはどんな風景が広がっているのだろうか?僕と、どんな関係を結ぼうとしたのだろう?僕のからだを敷地にどんなビレッジを形成したかったのだろう?彼らのみる宇宙とは、、、
そんなことを朦朧とした意識のなかで思ってました。「エコビレッジ」が現在、地球に生きる上で極めて重要で注目されつつあるのは、僕達が地球をぶっ壊してきて、その結果、極めて深刻な環境問題を生み出し、もはや人間が生きられない場所に地球がなりつつあるからだということに改めて気付かされました。地球からすれば人間の自作自演な活動です。僕らが好き勝手に巣食ったせいで地球はいま40度の熱くらいじゃすまない状態に陥っているわけです。地球からすればもっとも厄介なウイルスにやられてしまったいうところでしょう。
これからさまざまなプロジェクトを進行させていく上で、このことだけは忘れないでいようと肝に命じた次第でございます。忘れたら、50度くらいをプレゼントしてくれるウィルスがやってきそうですけどね(すなわち御陀仏、昇天)。